
長期インターンで、最強のパートナーが生まれたわけ。 ー企業で働くということ、学生と働くということ。
西澤七海
2021年11月15日
「今のままじゃよくない」っていう危機感が、インターンを頑張るモチベーションになっているのかも。
そんなふうにお話ししてくれた、ライフスタイルブランド「We’ll」のインターン生 藤岡もえさん。
藤岡さんと、「We’ll」の代表である藤井さんにインターンについてのお話を伺ってきました。
お二人のお話から伺えた、長期インターンという環境やそこでの関係性についてお届けします。
(大阪と岡山からインタビューにお答えいただきました!)
高校までの、大学での学びを実践できる場所としてのインターン
ー 早速ですが、自己紹介と事業の紹介をお願いします。
藤井:
藤井と申します。大阪で事業をやっている四代目のアトツギです。
大学生まで兵庫・大阪で育ちました。プロダクト・ライフサイクルの短い商品のマーケティングについて学びたいという思いから、日用品メーカーで働いていました。
やりたかったマーケティングに携わっているときに、突然家業をやっていた祖父に「帰ってきて欲しい」と頼まれたのが家業を継ぐきっかけだったんです。継ぐつもりはなかったんですけど(笑)
ー 元々継ぐ気があったわけではなかったんですね!
藤井:
そうなんです。
その後、大赤字だった事業を立て直したと思ったらすぐにコロナが来てしまって。そのタイミングでマスクを基軸としたWe’llを始めました。
マスクを売るだけではなく、マスクのあるライフスタイルをお届けすることがWe’llのコンセプトです。それをお届けすることで、社会や世界がもう少しウェルネスで、身体も心も元気でいられたらいいなと思ってWe'llと名付けました。
ー 「ライフスタイルブランド」と呼んでいる背景がわかりました。
藤井:
モノだけではなくて、ライフスタイルごとお届けしたいと思っていて。
ー 藤岡さんも自己紹介をお願いします。
藤岡:
藤岡もえと申します。ノートルダム清心女子大学の3年生です。
元々岡山生まれなんですけど、親と親の友人の勧めを受けたことをきっかけに、小学3年生の時に和歌山県にある学校に編入しました。
体験学習をすごく大事にしている学校で、クラスも、やりたいことも自分で選べる環境でした。なので、一つ一つ自分で決めるというプロセスを、小学生の頃から踏んできたんです。
We’llに興味を持ったのも、この教育の中で「生活に密着した形で学びを得ていく」ことを経験したからだと思っています。
生活をやっぱり知らなければならないなという思いで大学の人間生活学科に入っていることもあって、自分が学んでいることをより実践的に行えるんじゃないかなと思ってインターンをすることにしました。
「大学での学びと、実際の会社は違いました。」実際に働いてみたからこそわかる、そこにある違い。
ー 具体的に、We’llではどんな業務に携わっていますか?
藤岡:
この半年間の中で、主にテキスト面を任せていただいています。具体的には、商品ページの作成や商品のセールスポイントや商品ができるまでの過程を伝えるマガジンを書くこと、Instagramでの発信やwebマーケティングなどですね。
ー そうしたライティングやマーケティングはこれまでに経験したことがあったんですか?
藤岡:
インタビューライティングについてはやったことがありましたが、セールスライティングは初めてでした。
ー 初めてのことだったとのことですが、どのように勉強されていたのでしょうか?
藤岡:
外部のライターさんに質問をしながら勉強していました。あとは、藤井さんや社員さんにご指摘いただいたり、本当に周りの皆さんに教えていただくことが多かったです。
マーケティングに関しては、最初のうちは知らない言葉が飛び交いすぎていて。全体ミーティングも最初は本当に何を言っているかがわからなくて(笑)
それに関しては、自分で検索したりとかはありましたね。
ー そうですよね…最初って何を話しているのかさえわからないですよね(笑)
藤岡:
授業の関係でマーケティングに関しては勉強していたんですけど、webマーケっていうのは初めてだったこともあって。
藤井:
確かに。
藤岡:
分からない言葉を書き溜めるようにしていたら、ノートがすごく分厚くなりました!
でもやっぱり、そうやって知っていくことで実践の場を感じられている実感はあります。
マーケティングを会社で行うってこんな言葉が飛び交うんだ、こんなスピードで進むんだって。
藤井:
俺がいうのもなんやけど、いい経験になってるね(笑)
それを経験している学生としていない学生では、やっぱり社会人になった時に全然違うんじゃないかなと思う。
メンバーに期待を伝えること、教えてもらったことを忠実にやること。
ー そうやってインターンで感じている藤岡さんの活躍について、またその活躍を引き出せる理由についてぜひ藤井さんからお話を伺いたいです。
藤井:
とにかく期待値を全部超えてきてくれるのが、藤岡ちゃんの良さだと思っています。
例えば、記事を書くときに用意してくれるラフの最初に、絶対「目的」が書いてあるんです。その後に読んで欲しい人、その人に起こして欲しいアクション、そのための構成と続いてから本文が始まる。
幹となる部分がずれていると、軌道修正が難しくなるので、最初に確認をしてくれるのは仕事を進めやすいですね。
細かい言い回しなど詳細の部分のアドバイスや修正で済むので、週に10時間しか入っていないとは思えないほどアウトプットの量は多いんです。
ー すごい…藤岡さんはそう言った仕事の進め方をどこで学んでこられたんですか?
藤岡:
全部、We'll立ち上げから参画されている外部ライターの方に教わりました…!
確かに確認をするのはできていると思いますが、その上でちゃんと答えていただけるので進めていけると思っています。
ー 教えていただいたことを忠実にやる力があるんですね…!
藤井:
吸収力がある。
自分たち自身が藤岡ちゃんとどう向き合っているかみたいな、コツ的な要素は出てきていなんだけど…
ー あれこれ指導をするのではなく、自由にできる環境を用意するというのが大切なのかなと思いました。
藤井:
そうですね、それはあると思います。
一番最初に「藤岡ちゃんに期待すること」を伝えたんです。これは藤岡ちゃんも今も覚えてくれていて。
その内容としては、「こっちから1から100まで全部パス出ししない。100あるとしたら7~80は伝えるけど、2~30は藤岡ちゃんからの提案を期待しているからね」っていうことでした。
その最初の言葉を思い出して色々やってくれているなっていうのはありますね。
時々「そういうふうに期待してもらっていたけど、それってちゃんとできていますか?」っていう確認をとってくれています。それも嬉しいですね。
藤岡:
もっと確認したいと思っています!
藤井:
いい意味で藤岡ちゃんは理想が高く、もっと頑張りたいって気持ちを常に持ってくれてる。そうしたもっと期待に応えたいっていう、いい緊張感を持っていることも、一緒に仕事をやりやすい理由だと思います。
(お話を聞く中で、お二人の関係性の良さが伺えました!)
ー そうやって学生側から主体的に動いて欲しいとおっしゃる企業の方は多い一方で、それができる学生は多くはないと思っていて…。藤岡さんは、どういうモチベーションでそれができているのでしょうか?
藤岡:
これも、9年間を過ごした学校の影響がすごく強いのかなと思っています。
尖っている人が多い環境だったので、自分が秀でたものがない不安感みたいなものがずっとあったんです。
それが今も、「自分が今のままじゃないけない」っていう危機感の強さになっているんだと思います。
ー 普通じゃなくいたいという気持ちが大きいんですね。
藤岡:
満足感を得たいというか、いいのかなこれで…という思いですかね。
ー ここまで、すごくストイックな印象を受けました。
反対に、藤井さんにお聞きしたいのですが、入社の段階で「期待していること、会社としての役割」って言うところを話すことはインターン生がくる前からしようと思われてたんですか?
藤井:
インターン生に限らず、We’llというブランドを作っていく上で行う役割分担というか、その整理の一つとしてやっていましたね。
その一つとして、藤岡ちゃんにはテキスト周りのプロフェッショナルとしてやって欲しいなっていう期待でした。
結果的にマガジンだけではなく、商品ページをやってくれたりとか。最初は役割分担として期待していることを伝えていたのが、期待を超えてくれるからどんどん役割が拡大していきましたね。
今だからこそ必要なのは、相手を思ったコミュニケーション。
ー 人数が増えていったり、週に10時間ほどの出勤時間であったりするなかで、どうやってこの関係性を作ってきたのか、成果を出せる環境になったのかが気になります。
藤岡:
「聞かれたことには答える、そしてこちら側からも聞く」っていうコミュニケーションには意識して気をつけていました。
基本的にはLINEで連絡を取っているので、そのテキストの中で何を聞いているのか簡潔に伝えるとか、まとめてメッセージを送るとか。
そういう、リモートだからこそのコミュニケーションに時間をかけたことは大きいんじゃないかなと思います。
ー 会えないからこそ、大事なポイントですよね。
藤井:
あとは、仕事を始めるときに「今日もよろしくお願いします、何時から何時です」っていう出勤の挨拶と、退勤しましたっていう連絡をくれることも大きいです。
出勤時に今日やることを毎回洗い出してもらっていたり、終わった後に報告書を送ってもらったりしているので、進捗管理に安心感があります。
報告書には、今日やったことや残っていること、難しいからチェックして欲しいことなどを書いていますね。最初、藤岡ちゃんが2000文字くらいレポート書いてきたのを今も覚えています(笑)
ー 一回の出勤でそれはすごい(笑)
藤井:
「長すぎる」って指導が入ってから短くなったんですけど、毎回ちゃんと報告書の最後に(590文字)とか入ってる(笑)
そういうのを毎回やってくれていることが、リモートの中でも上手にお付き合いできている、お互い気持ちよく付き合えている理由なのかなって思いますね。
ー だんだん藤岡さんのファンになってしまうほどの、誠実さがすごく伝わってきます。
藤井:
そうなのよ〜
社会人4年くらいやってたんじゃないかなって思うほどに、相手を思うコミュニケーションが多いです。
藤岡:
すごく嬉しいです。今、「自分って仕事できるのかな?」って自信のない時期だったので。
ー 直接褒めてもらえるってこんなに嬉しいことないですよね。
藤岡:
藤井さんすごく褒めるのが上手で。
今日もありがとうっていつも言ってくれるのに感動してます!
藤井:
いつも思ってるからね。
ー これまでのお話の中で最初から仕事のできる方だという印象は受けているんですけど、その中でも、インターンを始めて成長した部分であったり、これができるようになったなと思っていることはありますか?
藤岡:
たくさんありますね。
1つは、やらなければいけないことが沢山ある中で、どうやって話し合いを進めて、 タスクを進めていくのか?ということを学べたと思っています。
毎回毎週ミーティングに参加させていただく中で、話の進め方を見せて頂いています。今日話し合いたいことを出して、アイデアを出して…っていうやり方はゼミの活動にも活きていますね。
他にも、商品ができていくまでの流れを知ることによって、自分の周りにあるたくさんの商品の背景にこれだけの流れがあって、動いている人がいるというイメージを持てるようになりました。
ー ライティングの面ではいかがですか?
藤岡:
小さな言葉の違いで与える印象の違いっていうのをすごく教えていただきました。
コピーにどれだけ惹きつけられるか、意思決定をする時にどれだけ言葉が重要かということに気がつきましたね。
ー 藤井さんからみたときに、藤岡さんが成長した点があれば教えていただきたいです。
藤井:
最初からできちゃうって言うのはあるなと思いつつ…
その中でも、「全体を把握する力」は伸びていると思います。
全体MTGに出て全体像を把握することを含めて一緒にやってくる中で、全体の中の自分の仕事がどこにあるのか?と考えることの精度が、より上がっているなっていう感じはします。
ますます修正のFBは減ってきていると思いますし、最初のパスも「これくらいなら藤岡ちゃんならとってくれるな」って思えるので、僕らはどんどん楽になっていますね。
ー これだけ成長を実感できる、ということもインターンの良さだと思います。それを踏まえた上で、短い学生生活の中であえてインターンをする良さを教えてください。
藤岡:
色々なことに着手できること、その中で「自分ってこれが好きなんだ!」と発見ができることはインターンの良さだと思います。
あと、社会の中で何が今うけるのか?とか、そういった部分に触れられるのも面白いですね。
私自身はコロナで他にできることが少なくなったという理由でインターンを始めたので、ただ家にいるだけ、大学に行くだけがつまらないと感じる学生にオススメしたいです。
(終始笑顔で答えていただいて、本当に楽しいインタビューでした!)
インターン生と働くことが向いていない企業はない、と考えるその理由。
ー 藤井さんには、どんな企業にインターン生と働くことをお勧めしたいかをお聞きしたいです。
藤井:
逆にインターン生と働くことが向いていない企業が思いつかないですね。
ー なるほど、そう思われるだけの「インターン生と働くことの良さ」を教えて頂けますか?
藤井:
インターン生と働くことの良さはいくつかあると思っています。
まず、インターン生と働くと、いいプレッシャーを貰えます。
毎日ずっときてくれるわけじゃなかったり、遠隔で働いてもらったりする状況だと、しっかり核となる軸を持ってビジネスをしないと、働いてくれる人もうまく働けないと思うんです。
そういう意味で、自分の中のビジネスを昇華させていかないと!っていういいプレッシャーがありますね。
また、現代っ子がチームの中に入ってくれる影響も大きいです。
僕らみたいなアトツギ企業って社内の年齢層が上がってることが多いんです。
特に届けている商材がB2Cだったりすると、今の若い世代がどういうふうにInstagramを使っているか知れたり、友達にヒアリングしてくれたりとか、そういうことができますし。
そういう子たちが働ける環境になっておくことで、採用活動がスムーズになるとも考えられますね。
今から社会人になるぞって子たちに受け入れられるような社内体制じゃないと、入ってきた子達がやっぱり辞めてしまう。そういう、企業としても準備ができるんじゃないかなと思います。
ー 社内に新しい風をふかせられるという意味でも、新卒採用の側面でもおすすめできるということですね。
もっと数字を意識したライティングに、1人のプロとしてのメンバーに。
ー 最後に、今後のことをお聞きしたいと思います。藤岡さんに、ぜひ今後長期インターンで挑戦していきたいことを伺いたいです。
藤岡:
SEOの知識を身につけたいと思ってます。あとは、もっと数字を意識した記事にしていきたいですね。
We’llでもそこを強化しているので、伸ばしていけたらと思います。
ー 藤井さんから、ぜひ、藤岡さんに期待することも教えてください。
藤井:
藤岡ちゃんが言っていたとおり、テキストライティングでプロになってくれたらなと思うし、ここからさらにビジネスとして数字につながるっていうところを意識しながらやって貰えたらと思います。
あともう一つ、この記事を見てくれる学生がいるとすれば、「絶対長期インターンした方がいい」っていうことだけは伝えたいです。アルバイトするよりも、企業に長期インターンに行く方が学生生活充実するんじゃないかなって思う。
ちょっとドキドキはすると思うけど、絶対やった方がいいですね。
ー 藤井さん、藤岡さんインタビューへのご協力ありがとうございました!
インターン生として働く上で大切なことは、自分で考えることと、教えてもらったことをまず素直にやって見ること。
そして、インターン生と働く上で大切なことは、思い切って任せてみること、その期待を伝えること。
そんな、大切なことが見えてくるインタビューでした。
学生の皆さんには長期インターンに行くという選択肢を持っていただきたいですし、若い人材が不足していることに課題を感じている老舗企業にこそ、長期インターン生と働くという選択肢を前向きに考えていただけたらいいなと思います。