地元のスタートアップで長期インターンをしたことが、人生の転機になりました。
西澤
2023年01月13日
地元岡山での長期インターンをきっかけに、現在は自分の事業を進めながら岡大起業部の共同部長としても活動されている小田さん。
長期インターンで学んだことや感じたこと一つひとつ、何も無駄なことはないんだなと感じさせてくれるインタビューでした。長期インターンを始めたい方はもちろん、長期インターン生として働く人にも読んでいただきたいです。
今回お話いただいた小田さんについて
岡山大学経済学部4年生。2019年に大学入学後、ご自身でブログを立ち上げWebライターとして活動したり、COMPUSを利用して長期インターンを経験したり。現在は岡山大学起業部として活動すると同時に、事業計画を立案・実行するなど起業家としての道を進まれています。
その道のプロから学ぶことができる” そんな魅力を感じて始めた長期インターン。
- 今回のインタビューは、小田さんにCOMPUS代表藤田のツイートを引用リツイートしていただいたことがきっかけに始まりました。どのような思いでツイートしてくださったのでしょうか?
▲実際のツイートの画像
「本当にその通りだな…」と思いましたね。
実際にCOMPUSのユーザーとして長期インターンを経験させていただいたことが、それまでの価値観を変えるような出来事になりました。そこから起業部を作って、今度は自分が起業するっていうところまで来ているので。
- そもそも長期インターンをしてみよう!と思われたきっかけは何でしたか?
一番最初のきっかけは、2019年に開催された長期インターンの紹介イベント「飛行船」に参加したことでした。その場の話の流れからネコノテモカリタイさんのところで長期インターンすることが決まって。
期間は短かったものの、社長と一緒に今後やっていきたいことを話したり、スタートアップの雰囲気を知れたことが大きな経験になりましたね。
- その後COMPUSを利用してくださって、岡山県内のマーケティング会社でのインターンを始められていますが、どのような経緯で入社を決められたのでしょうか?
長期インターン生として働くまでの間、自分でブログをやっていたんですよね。でも、やっぱりどうしても給料が発生しないし、スキルの獲得が独学では難しいなと感じていたりして…。
その時に、そういえば長期インターンとかにちょっと触れていたなっていうのを思い出しました。改めて調べてみると、ベンチャーに携わって色々なことが勉強できること、ちゃんとお給料が出ることに魅力を感じて、探すようになりました。
COMPUSで探す中で、「社長直伝のWebマーケティングが学べる!」という文言に惹かれて入社を決めました。
- ご自身でブログを書かれていたんですね!
ネコノテモカリタイでの経験を通して、ガクチカや副業のために何かしらWebで稼げるスキルが欲しいなっていうのはぼんやり考えていて、それをきっかけに始めていました。
映画に関する記事を書くことで、映像配信サービスに登録してもらって、その報酬が入る…という仕組みだったんですけど、全然売れませんでした。
その売れなかった経験もあって、やっぱりその道のプロフェッショナルの元で学ぶことができるという意味でも長期インターンはすごく魅力的でしたね。
お金をもらって勉強できるの!?みたいな(笑)
初めてのテレアポから、「やってみたらなんとかなる」を学びました。
- 長期インターンでどのような業務に携わっていましたか?
働き始めるまではブログの記事を書いたり、広告運用をしたりするのかと思っていたんですけど、最初は電話対応だったんですよね。
正直最初は苦手意識がありましたが、続けていくうちに成長できたと思っています。今となってはそれがいい経験だったなと思っています。
人と話すときに緊張しなくなったこともそうですが、電話をしながら相手の状況を考えて共感ができたり、課題を考えて提案ができたり、そういう相手のことを想像しながら話をするスキルは獲得できましたね。そのことが、今ピッチがうまくいくことにつながっているとも思います。
- 自分の苦手な分野だった…そんな状況を乗り越えられたモチベーションはどこにありましたか?
やっぱりこの社長の元で勉強するんだ、入ったからには誠心誠意頑張ろうっていう思いがあったことですね。
あとは、最初の一回を乗り越えたことで「意外となんとかなるんじゃないか」と思えたことも頑張れた理由だと思います。
そこで感じた「やってみたらなんとかなる」ということは、長期インターンで学んだことの一つです。その度胸がついたのは大きくて、自分の人生の価値観として大きく残りましたね。
- 長期インターンは1年ほど続けられていると思います。今後の予定をお聞かせいただきたいです。
起業部での活動もあって時間を取りづらくなったこともあり、そろそろ一旦区切りをつけようと思っています。
実を言うと、自分のキャパシティが確保でき次第、また別のところでインターンを始めようかなとも考えています。新しいことが身につけられたり、今後自分がしようとしている事業とのつながりがあったりしたらいいなと思っています。そうじゃなくても本当に新しいことが勉強できるなら、誠心誠意なんでもやらせていただきますって言う気持ちですね!
「やりたいかも」の火を絶やさずにいられる場所を起業部で作りたい。
- 現在は、起業部で共同部長をされているんですよね?
そうですね。
そもそも起業部ができたのが今年の春くらいです。顧問をしてくださっている岡大の佐藤先生が「起業を志す岡山大学の学生の受け皿が必要だ」と、起業部を立ち上げようとされているところに手を挙げて入ることにしました。
先生が起業部の前にやっていた学生団体のメンバーだったり、開講されているアントレプレナーシップの授業の学生だったりが起業部のメンバーになりました。
- そうした先生の声かけに反応できる方がそれだけいるっていう感度の高さがすごいですね…!
それも佐藤先生のおかげですね。
僕自身、入学時点で副業やパラレルキャリアについてはわかっていませんでした。入学してからアントレプレナーシップっていう言葉を初めて聞いたり、ワクワクする授業を受けたりする中でちょっとずつ変わっていった感じがしています。
- 知らない言葉・カタカナの言葉を聞いたとき、よくわからないなって流しちゃう人もいると思います。そこでやってみよう!と思えた理由はどこにあったんでしょうか。
純粋に楽しそうだな〜って思ったからですかね。
あとは、高校までの友達がいい大学に行ってしまったので、学歴じゃ敵わないから面白いことしようっていうのをなんとなく考えていたからですかね。
みんな岡山から出ていったから、岡山盛り上げてやるか!みたいな感じですね笑
- 起業部では具体的にどんなことをされていますか?
前期は、佐藤先生が「起業に関する基礎知識や気をつけるべきこと」、「起業のアイデアの見つけ方」を講義形式で教えてくださいました。
後期は学生主体で、個人がどんなことをしているのかの共有や、ピッチの練習、ビジネスプランの壁打ちをしたりしていますね。コンテストに出る人がいたり、古着屋を作ってみたり、学祭に参加したりと各々の個人活動がメインになっていますね。
出店されている様子
- 今は個人の活動がメインになっているんですね。
そうですね。部の方針として、世の中に新しい価値を提供するリスクもそれ相応に大きいスタートアップと、自分の利用可能なリソースの範囲内で、すでに存在している市場や方法を活用してやっていくスモールビジネスの両方をやっていこうとしています。
大学生の懐とできる範囲内でのスモールビジネスをまずやってみて、それで知識を身につけた上でスタートアップに挑戦っていう形をとっていて。
- 「やりたいかも」っていう気持ちを形にできる場があるのはすごくいいなと思いました。
やりたいと思っても、少し面倒くさいところに直面すると、「わ〜きついな〜」って終わってしまうんです、1人だと。
そうならないように、火をずっと絶やさずにいられるように、みんなでやっていけるのが起業部の価値だと思っています。
ゴールからの逆算ではなく、自分の持っている手札の組み合わせで事業を考える。
- ちなみにこれからこの事業内容で行くぞっていうのは、決められているんですか?
決まっています。おじいちゃんおばあちゃんを対象に、大学生がスマートフォンの使い方をレクチャーしたり、簡単な家事手伝いを行うサービスを提供することを考えています。
- その事業を考えたきっかけを教えてください。
家族みんなでスマホを使い始めた時に、自分や妹はすぐに使いこなせるんですけど、両親は全然使えなくて。知識の学習スピードや使える度合いに差があることに気が付いたんです。
あとは、本屋さんにLINEの使い方って本があるんですけど、内容を読んでみると自分でも教えられるじゃんって思いました。
それまで自分にどんな価値が提供できるかずっと考えていました。スマホを教えるとかならできるな、それに価値を感じる人がいるんだったらやってみようかなと思いましたね。
- 確かに私たち世代は説明書がなくても使える一方で、少し上の世代になると難しいと聞きますね。
今DXが推進されていますが、DXってみんながデジタル機器を使えることを前提に進んでいると思うんです。DXの波におじいちゃんおばあちゃんが取り残されないようにできたらいいなと思いますね。
実際に開催されたイベントのチラシをいただきました!
- 身近なところから課題を見つけて、それと対比する形で「自分ができることってなんだろう」を考えて結びつけているのが、今の起業っぽいなと感じますね。
ありがとうございます。
佐藤先生に教わった起業家の考え方にエフェクチュエーションっていうのがあります。ざっくりいうとその中で言われているのが、「今自分に何ができるのかをベースに考えるのがいいよ」っていうことなんです。
ゴールを決めてそこに向かって進むのではなく、今手元で何ができるのか一通り確認してから、その中でこの手札を使ってこっちにいってみようかなって決めていく…。それを踏まえて考えていきましたね。
- お話を聞いていると、いい意味で起業のハードルは低いのかなって感じますね…
本当にそう思ってもらうのが部の目的というか(笑)
起業って大学生にとってなかなか選択肢にならないじゃないですか。やっぱりみんな就活に進んでいくので、そこに一石を投じたいなっていうのは思っています。
起業してみてもいいんじゃない?をみんなが言えるようにしたいですね。
- 改めて考えてみると、長期インターンを通してみた代表の姿や考え方が、起業という選択に影響したのかなと思います。
めちゃくちゃありましたね。実際に長期インターンで経営者っていう働き方を目の当たりにしたことで、起業への興味が沸きました。
社長がすぐそこにいる環境で、ちょっとした隙間に会社の戦略の立て方や、今後の事業のこと、キャリアとしての社長っていうのは意外とありなんだよって話してもらって。それによって自分の中でやっぱり現実味が出てきたんですよね。
自分が事業を成功させることで、誰かのロールモデルになりたい。
- これからの目標はありますか?
まずは自分が進めている事業、部として進めている事業を成功させることですね。
最終的には小田先輩でもうまくいくんだったら、自分でも起業できそうな気がするなって思ってもらえるようなロールモデルになりたいですね。
やっぱり先輩がやってるってなると急に身近に感じられるものだと思うので。
- お話の中で、友達が岡山を出ていったり、いい大学に進学したり…という話があったと思います。長期インターンや起業部の活動を通して、岡山県や地方での学生生活の印象が変わったんじゃないかなと思っていますが、いかがでしょうか?
本当に変わりましたね。
岡山全体を見ても、起業やパラレルキャリア、スタートアップを支援するような動きの波が大きくなっていると感じています。
その波に乗るような形で、岡山のスタートアップの支援における学生代表みたいなところを起業部で担えるようになったらいいなと思います。
- そう感じる小田さんから見て、長期インターンや起業部はどんな方にお勧めしたいと考えていますか?
ちょっとでも興味があるんだったら首を突っ込んで欲しいです。
- これから長期インターンを始められる方に「長期インターンの探し方」のアドバイスをいただけますか?
ちょっと予想している答えと違うかも知れませんが、基準をガチガチに決めて選ぶっていうのはむしろしなくてもいいんじゃないかなって思います。
いくつかそれっぽい候補が決まったら、サイコロで決めるくらいの勢いでいいと思っていて(笑)
というのも、どんなところに行っても何かしらの学びは絶対あるんです。自分の予想通りのスキルを身につけようとするよりも、全くもって未知の世界に飛び込んで色々経験していく方が、楽しかったり、後々良かったと思えたりするんじゃないかなと思います。
予測不可能性を楽しんでみるのもいいんじゃないかなと、お伝えしたいです。
あとがき
経営者の姿を近くで見れたこと、「やってみればなんとかなる」と思えるようになったこと、長期インターンで感じたことの一つひとつが今の小田さんにつながっていることが見えてきたインタビューでした。
大切にしたい考え方と出会えること、人との出会い、行動のハードルが下がること…と、長期インターンから得られるものは、何かしらのビジネススキルだけではないと改めて気がつくことができ、インタビューをさせていただいた私にとっても学びの多い時間になりました。小田さん、ありがとうございました!