【イベントレポート/パネルディスカッション】長期インターン未開拓地で長期インターンって実際どうなの?インターン生がぶっちゃけトークしてみました。

【イベントレポート/パネルディスカッション】長期インターン未開拓地で長期インターンって実際どうなの?インターン生がぶっちゃけトークしてみました。

原田亜季

2021年03月01日

“真庭”で働きたいけど、真庭でやりたいことが見つからないから、都会に出ました。


”真庭”という部分を、日本全国の地方都市に当てはめても同じ問いが成り立ちます。


2015年以降三大首都圏への転入超過が続いており雇用の問題が日本全国で課題として挙げられています。

(厚生労働省 地域雇用対策についてより)


その中で”長期インターン”に着目して地方を盛り上げようと、岡山県の地方の自治体が立ち上がりました。

バイオマス発電やSDGsで地方創生に取り組む中山間地の自治体が、長期インターンを根付かせる最初の一歩として、

『真庭市インターンサミット』を開催しました。


さまざまな事業に取り組んでいながらも、長期インターンはまだまだ未開拓な地域です。

企業さまに長期インターンっていったいどんなものなのか、長期インターンを取り入れることでどんなメリットがあるのか、長期インターンを少しでもよく思ってもらうためのイベントでした!

この記事の執筆者の原田も実際にイベントに参加し、より多くの方にこのイベントのことを知っていただきたいと筆を執りました。

イベントの中であったパネルディスカッションを中心に、イベントの様子をお届けしたいと思います◎


真庭市とは

岡山県真庭市は鳥取との県境に位置し、県下最大の面積を誇る自然豊かな市です。

県内有数の観光地である蒜山では、雄大な高原の中で育つジャージー牛や、温泉番付で西日本の横綱に位置付けられる湯原温泉など自然を活かした観光地が多く、コロナ禍でも少しずつ観光客が増加傾向にあります。

(真庭市HPから)


真庭市は面積の8割が森林ということもあり、それを生かしバイオマス発電事業を行うなど、地方創生先進地区でもあります。

そのほか、SDGs未来都市や脱炭素先行地域、阪急阪神百貨店とのGREENableなど様々な取り組みを行っている自治体です。

実際に真庭市の取り組みを視察しようと、全国から視察者が訪れます…!


原田も、高校生の時に真庭市の事業を視察しに行き、面白いことが進んでできる地域でもあり、新しいことに挑戦したい人たちが集まってくる地域だと実感しました。

夏に訪れた際真庭市全体を回り切れないほど広かったです…!


真庭市の現状

地域創生先進地域でありながらも、真庭市の人口は14歳以下の人口は5534人。

2040年には3300人まで減少してしまう見込みです。


さらには10代~20代は転出経過にあり、近年5年は大幅にその傾向が大きくなってしまっています。

Uターンに関するアンケート調査では、「仕事」に関する回答として「仕事がない」 「希望する生活水準を満たすような仕事がない」 などが理由として上がっています。 (真庭市人口ビジョン令和2年改訂より)

大学もなく、若者が転出してしまいやすい地域。

企業の人材不足と、若者のキャリアの多様化という課題の解決策として”長期インターン”が取り上げられました。


長期インターン×真庭市って?

長期インターンを取り入れてみよう…!と第一人者になったのは

真庭市役所 産業政策課の平澤洋輔さん。

過去に平澤さんのインタビュー記事を公開しているのでぜひご覧ください◎

実際に真庭市役所でインターン生が三人稼働し、夏から長期インターンを真庭に根付かせるべく奮闘中です!

インターン生が真庭市に対して長期インターンの認識調査を行った結果、

「長期インターンってそもそもなに?」

「長期インターン生を取り入れるノウハウがない」

という結果が。

長期インターンを企業に取り入れてもらうより、まずは長期インターンについて知ってもらおうと行ったのが『真庭市インターンサミット』でした。


学生が長期インターンについて、ぶっちゃけトークしてみました。

昨年の12月19日に行われた『真庭市インターンサミット』では、真庭市の現状から長期インターンが必要であるということ、長期インターンを取り入れることでどんなメリットがあるのか、実際に長期インターンを取り入れて動いている企業の実態はどうなのか、といった長期インターンについて深く知れるコンテンツを盛り込みました。

イベンイトの全容はこちらから:( 【アーカイブ】真庭インターンサミット

最後に長期インターンについて生の声をお届けするパネルディスカッションを用意しました。


ここからは実際に長期インターンで働いている学生と平澤さんで長期インターンについての生の声をお届けします!

パネルディスカッションの様子をご覧ください◎

モデレーター

小野崎:真庭市インターン生。出身は茨城で現在も茨城に在住。パネルディスカッションのモデレーターを担当。

登壇者

木村:真庭市インターン生。東京の大学生で東京に在中だが、出身は真庭市。
原田:真庭市インターン生。岡山県生まれ岡山育ち。当日は司会進行を担当。
平澤:真庭市役所職員。真庭市に長期インターンを根付かせている第一人者。


1,真庭市インターン生の業務内容&リモートでのコミュニケーションの取り方は?

小野崎「本日はざっくばらんに進めさせていただきます。よろしくお願いいたします!早速インターン生のお二人に質問します。実際の業務内容について教えてください!」

木村「真庭市の企業様の現状を知るために先日アンケート調査を行いました。その結果からどのようなイベントをするのが効果的かを考え、イベントの企画から運営まですべてインターン生が行っております。」

小野崎「木村さんは東京の大学に進んでおられるということですが、真庭のインターンにはどのように参加していますか?」

木村「はい、すべてリモート上で業務を行っております。Facebookのmessenngerも活用しながら平澤さんとやりとりをしています!」

小野崎「リモートで長期インターンって慣れない部分もあると思うんですけど、不安なことや困ったことはありましたか?」

木村「そうですね、最初はリモート上でどうやって仕事するんだろうという漠然とした不安がありました。ですが、大学生はオンライン授業などやっていてリモート慣れしていた事もあり、違和感なくインターンに取り組むことができました。」

小野「平澤さんにお話を聞きたいんですが、インターン生とはどのようにコミュニケーションをとられていますか?」

平澤「簡単な指示や連絡はmessengerでやり取りをさせていただいてます。インターン生には主体的に動いてもらいながら、業務のお手伝いをしてもらっています。

小野崎「原田さんは抵抗はなかったですか?」

原田「リモートで長期インターンをしている友達を知ったのがきっかけだったので、あまり抵抗は感じていませんでした。逆に対面のインターンの方が想像つきにくいですね。」


2,長期インターンを始めたきっかけ


小野崎「お二人が長期インターンをはじめようと思ったきっかけってなんですか?」

原田「私は友人が長期インターンをしていたことから長期インターンを知りました。社会人の方がされている業務を同い年の友人がしていると聞いて、私もかっこいい大学生になりたいと思ったのがきっかけです。」

小野崎「なるほど、憧れからしてみようと思ったんですか?」

原田「はい、そうですね」

小野崎「ありがとうございます!木村さんはどうですか?」

木村「長期インターンを始めようと思った理由は2つあります。1つ目は社会に出てすぐに貢献できる人材になりたいと思ったことです。2つ目は、地元である真庭市になにか貢献したいと思いつつ、東京に進学してからどのように関わっていいのか分かりませんでした。そんな時に真庭での長期インターンを見つけたことがきっかけです。オンラインで真庭市に関われる方法が、長期インターンだった感じですね。」


3,学生に長期インターンってなじみがあるの?

小野崎「周りのご友人は長期インターンを当たり前にやっているという感じなんでしょうか?」

木村「小野崎さんの周りではされてますか?」

小野崎「僕は地方の茨城大学というところにいるんですけど、一人インターンをしている友達がいますがそれ以外はいないという感じですね。」

木村「私は東京にいるので周囲にやっている方が多いです。」

小野崎「原田さんはどうですか?」

原田「先ほどお話しした友人の周りにちらほらいるという感じですが、私が通っている大学ではまったくそういう話を聞いたことなくて『長期インターンって何?』という感じでしたね。」

小野崎「なるほど東京(都会)と地方で差があるという現状なんですね。」


4,真庭市インターン生の働きぶりについて

小野崎「実際に3人のインターン生を受け入れてみて実際の働きぶりはどうですかね?」

平澤「みなさん主体的に動いてくださっています…!このイベントもそうですが僕的には今年度イベントやらなくてもいいだろうと思っていたのですが、アンケート結果から『イベントはやった方がいい』と3人が強く勧めてくれたので、企画から運営から何から何まで全部インターン生に任せています。集客もこの場も全部やってくれているので、すごい優秀だと思っています。

主体的っていうのが彼らのお話を聞いていたら分かると思うのですが、学ぼうとする意欲がすごいあるので若い力でいけるところまで押し上げてくれました。本日参加してくださった企業様も、彼らの動きで心を動かされて参加してくださった方もいるのではないでしょうか?そういった部分でエネルギーをとても感じますね」

小野崎「ありがとうございます!自分が働いている身なので照れもありつつという感じですね(笑)」


終始和やかな雰囲気でイベントは進んでいきました◎


5,インターンのギャップ&アルバイトとの違い

小野崎「インターンを始める前と後ではギャップはありましたか?」

木村「社会人の方と一緒にお仕事をするという経験がなかったのでプレッシャーはありましたが、自分たちにしか見えてない目線ってきっとあると思っています。それを企業さまや平澤さんが受け止めてくれてどんどん仕事を通して関われることが嬉しいし、自信になっています。」

小野崎「自信が高まったというところですね。原田さんはどうですか?」

原田「ギャップというと、お題とずれるかもしれないんですけど、インターンをしている友人の話を聞いてた時に『めっちゃ怒られるよ』という話を聞いててまじかと思ってました。(笑)

楽ではないというのは最初に聞いてて不安はありましたが、自分から動くことで得られる経験があるので、楽しいなと思っています。もちろん楽ではないのですが、やりがいを感じてるので、最初のイメージの怖いという部分ではギャップがあったなと思いますね。」

小野崎「アルバイトと長期インターンの違いっていうのは感じますか?」

原田「アルバイトはマニュアルがあるので動きやすいですが、長期インターンでは自分のアイディアがそのままお仕事になったりするので、そこが大きな違いかなと思っております。」

小野崎「自分で考えて動くか与えられたものをこなすかという違いでしょうか?」

原田「そうですね。あとアルバイトと違うのが長期インターン生どうしの関わりが深いと思っています。一緒のお仕事をしているからその分、絆は深いなと思いますね。」


6,学業と長期インターンの両立

小野崎「学業との両立はどうされていますか?」

木村「アルバイトだとまとまった時間で入らないといけないですが、リモートでの勤務なので、授業と授業の間などうまく隙間時間を見つけてコミットするようにしています。」

小野崎「インターンしてて単位落としたというようなことってあったりしますか?」

木村「さぼらなければないと思います!」

小野崎「なるほど!ありがとうございます。原田さんの方はどうですか?」

原田「そうですね、リモートということもあり両立しやすいですね。週4で入っていた時期もありましたが単位は一度も落としたことがありません。」

小野崎「お二人ともちゃんと両立ができるということですね。」


7,地域への思い

小野崎「木村さんは真庭出身で1回東京に出て、また真庭市に関わっているということですが、真庭市に対してどのような思いがありますか?」

木村「18年間育ってきたということもありますし、高校生の頃に学生塾を立ち上げたりして高校生の時からなにかやりたいなと思ったことを、『じゃあ一緒にやろうよ』と受け止めてくれる人が真庭には沢山いて。今度はインターン生として真庭の人たちに恩返しという形で何かしたいです!」

小野崎「今の大学生の地元事情とか聞いていきたいんですけど、周りの友人など地元や地域に興味がある人っていますか?」

木村「私の周りはたくさんいます!大学卒業したら地元に帰りたい友人もいるのですが、『地元にいい就職口がないから帰れない』という人を見ると、残念だな…という気持ちになります。」

小野崎「地元が好きだから帰りたいなという気持ちもありつつ働く場所がないという感じですか?」

木村「そうですね、やりたいことがあるけど地元じゃできないからというところですね。」

小野崎「そうですよね…原田さんは自己紹介のスライドに地域が好きって書かれていたと思うんですけどそこはどういった経緯で好きになったんですか?」

原田「岡山県井原市というところの出身なんですが、大人の方が学生のやりたいと思ったことに対してサポートしてくれる環境がすごく整っててそこがいいなと思ってます。でも同級生はそうではないというところにギャップを感じて『私は地元愛があるタイプなんだ』と気づいたのが最初のきっかけですね」


8,長期インターン探しはどこから?

小野崎「ここから企業様からご質問が来ているので回答していきます。

『長期インターンをどこで探して応募したんですか?』という質問が!ありがとうございます。木村さんいかがでしょうか?」

木村「最初、長期インターンというワードさえ知らない状態だったのですが、Instagramで長期インターンサイトCOMPUSを紹介していて、そこからCOMPUSで探したという感じですね。」

小野崎「なるほど!原田さんはどうですか?」

原田「私もCOMPUSで探しました!地方学生に特化しているっていう部分に魅力を感じました。私は地方って聞くと反応しちゃうタイプなので…あとリモート勤務の求人がたくさんあり、その中から気になったところはお気に入りにしたりして…ていう感じで探しました。」


9,今後の展望について

小野崎「今後の展望についてお話しいただいてもいいですか?」

原田「もともとすごいポンコツなタイプで、長期インターンをしていないとマイナスの地点からの出発だったと思うんです。でも長期インターンに取り組んだことで、やっとスタートラインに立てたというところだと思っています。就活や大人の方と話す場で生かして、これからも経験を積んでいきたいです!」

小野崎「僕も就活中なので一緒に頑張りましょう!木村さんお願いします!」

木村「私も就活してて、人事の方から『最近の地方学生ってすごく優秀なんです』っていう話をしてくださる方が多いです。

優秀っていうのは、情報が少ない中で勝ち取ってくる根性があるからだと思います。そういった能力がある地方学生が活躍できる場があれば嬉しいですね。同級生や後輩と真庭で仕事ができたらめちゃくちゃ楽しいだろうなっていう夢があります!」

小野崎「ありがとうございます!真庭のインターンの方でイベントをしたりしてますが、今後していきたいことはありますか?」

木村「学生と企業さまが一度に集まれるようなイベントが開きたいです!」

小野崎「真庭出身のあかりさんだからできることってありますよね」

木村「後輩とかたくさん連れてきます!」


小野崎「平澤さんからも一言お願いします。」

平澤「この場には本当に優秀な人がたまたま集まっているのかなって感じがしますが(笑)、個々の学生はそもそも地域に興味を持ってくれているっていう時点で主体的に動けるし、勉強もしつつ、将来も見据えた行動ができていると思います。今日のイベントをきっかけに学生と企業が繋がってくれたらいいなと思いますし、インターン生たちが積極的に来年も再来年も真庭に絡んでみたい!となってくれそうだな、と思える場でした。

今後、長期インターンを導入する企業が2社目、3社目と増え、真庭で2、3ヶ月働いてもらえたらいいなと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。


終わりに

真庭市に限らず、やりたいことが自分の地元にはないという思いを持たれている方は一人や二人ではないはずです。

真庭市の概要を見て、「私の地元と似てるな…」と感じた方もいらっしゃったでしょうか。

そうなんです。真庭市だけではないというのを分かってくださったらとても嬉しいです。

やりたいことと地方や地元と企業とマッチングしない…!という環境下でも、自分の地元を思う気持ちを大切にしたい。地元で暮らし続けたい。という気持ちを大切にしてほしいと思います。

長期インターンを通して、「こんな企業もあったんだ」という発見があれば、また地方や地元で働くことが少しでも面白いなと感じるための第一歩にしてほしいです。


パネルディスカッションに参加した学生も、ごくごく普通の大学生です。

長期インターンについてもしハードルが高いな…と思ってしまっている感情が薄くなったのではないでしょうか?

『真庭市インターンサミットの内容をもっと深く知りたい!』という方はYouTubeにイベントアーカイブ動画がございますので、ぜひご覧下さい◎

【アーカイブ】真庭インターンサミット

少しでも長期インターンが取り組みやすいと思って下さるきっかけになればと思います!

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